世界大会2026 注目デッキ9選 — Pitch Black後の環境を予習する

今週末、いよいよ「ポケモンワールドチャンピオンシップス2026(WCS2026)」が開幕します。現地時間 8月28日(金)〜30日(日)、会場はアメリカ・サンフランシスコのモスコーン・センター。ポケモンカードゲーム部門としては21回目の世界大会で、2025-26シーズンを締めくくる招待制の大会です。

この記事では、世界大会で握られる可能性が高い注目デッキを、直近のデータから9つ+αに絞って紹介します。観戦のお供にどうぞ。

今年の世界大会は「ぶっつけ本番」です

今シーズンの環境を語るうえで外せないのが、英語版の最新セット「Pitch Black (PBL)」が2026年7月17日に発売されたことです。

世界大会で使えるのは、レギュレーションマークがH・I・Jのカード。そのうえで、収録セットの上限は今回PBLまで。Play! Pokémonのルール上、新セットは発売の2週間後に使用可能になるため、7月17日発売のPBLは7月31日から解禁されています。

問題は、PBL発売後に大型のオフライン大会が1つも開催されていないことです。今シーズン最後の大型大会は6月10日のNAIC 2026 (ニューオーリンズ、3,752人)で、これはPBL発売の1か月以上前。つまり選手も観客も、新セットが入った環境の「答え合わせ」をしないまま世界大会本番を迎えます。

そこで参考になるのが、Pokémon TCG Live のオンライン大会のデータです。以下はPBL解禁後のオンライン大会 (441大会・33,163人・75,265試合) の使用率で、現状もっとも母数の大きい指標になります。

# デッキ 使用数 シェア 勝率
1 メガドリュウズex 2,582 7.79% 48.88%
2 ドラパルトex 2,390 7.21% 54.10%
3 お祭り会場 (カミッチュ/アズマオウ) 2,110 6.36% 50.81%
4 ドラパルトex+バシャーモex 1,992 6.01% 52.71%
5 ヤドキング 1,825 5.50% 52.44%
6 フーディン+ノココッチ 1,795 5.41% 53.54%
7 ドラパルトex+ヨノワール 1,793 5.41% 50.02%
8 Nのゾロアークex 1,717 5.18% 48.15%
9 マリィのオーロンゲex+ユキメノコ 1,472 4.44% 51.46%
10 ダダリン+ジュペッタ 1,332 4.02% 48.13%
11 ドデカバシ 970 2.92% 47.21%
12 タケルライコex+オーガポン 716 2.16% 53.32%
13 メガルカリオex 638 1.92% 50.23%

出典: Limitless Play オンライン大会 (Pitch Black 解禁後 / 441大会・33,163人・75,265試合)。「その他」を除いた上位13デッキ。

注目デッキ

1. メガドリュウズex — 使用率トップに立った新セット代表

メガドリュウズ ex メタング
エースのメガドリュウズex(PBL)と、エネ加速を担うメタング。

PBL産の新エースで、オンライン使用率は7.79%と単独トップ。ただし勝率は48.88%で、数字だけ見ると「人気ほど勝ててはいない」タイプです。

軸はダンバル4-メタング4のライン。メタングの特性「メタルメーカー」で山札の上4枚から基本鋼エネルギーを好きなだけ場につけられるので、エネルギー加速が異様に速いのが持ち味です。メガドリュウズexの「マキシマムドリル」は200ダメージですが、必要エネルギーより2個多くついていれば+130の330打点になり、この加速力とかみ合っています。

サブアタッカーのメタグロスは「はねかえす」で相手のバトルポケモンをベンチと入れ替えられるので、逃げにくいポケモンを縛って時間を稼げます。ゲノセクトexの「メタルシグナル」で鋼の進化ポケモンを2枚まで手札に加えられるため、進化ラインが揃わない事故もケアできています。

基本鋼エネルギーを17枚積む思い切った配分も特徴です。

サンプルリスト — Ap3XxX9941 / 2位 (416人) / 11 - 2 - 0

ポケモン (18)

トレーナーズ (25)

エネルギー (17)

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2. ドラパルトex — 型を3つに分けても、合計では最大勢力

ドラパルトex ヨノワール
「ファントムダイブ」のドラパルトexと、ダメカン13個を置くヨノワール。

無印7.21%、バシャーモ型6.01%、ヨノワール型5.41%。3つ合わせると18%を超え、実質的な環境の中心はいまだにこのデッキです。NAIC 2026ではトップ16のうち10人がドラパルトex系で、オフラインでの実績も申し分ありません。

ドラパルトexの「ファントムダイブ」は本体に200、さらにダメカン6個を相手のベンチに好きなように置けます。このばら撒きを、マシマシラの特性「アドレナブレイン」(自分の場のダメカンを3個まで相手にのせ替え)や、ヨノワールの「カースドボム」(自分をきぜつさせて相手1匹にダメカン13個)で回収して2匹同時に落とす、というのが基本の勝ち筋です。

下に載せたリストは、909人規模のオンライン大会を8戦全勝で優勝したヨノワール型。クラッシュハンマー3枚で相手のエネルギーを削りにいく構成になっていて、メガドリュウズexのような加速デッキを想定した枚数配分に見えます。

バシャーモ型はバシャーモexの特性「たぎるとうし」でトラッシュから基本エネルギーを毎ターン供給し、ドラパルトexが動くまでの速度を底上げする型。勝率は52.71%と無印(54.10%)に次ぐ数字です。

サンプルリスト — Oscar Allan / 1位 (909人) / 8 - 0 - 0

ポケモン (20)

トレーナーズ (32)

エネルギー (8)

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3. お祭りデッキ — PBLの新サポートで一気に化けた12-0-1

カミッチュ グラジオの決戦
2回攻撃のカミッチュと、打点を+80するPBLのグラジオの決戦。

使用率6.36%。スタジアムお祭り会場を場に出しておくと、特性「おまつりおんど」を持つカミッチュやアズマオウが、ワザを2回連続で使えるようになります。カミッチュの「ともだちのわ」はベンチの数×20なので、ベンチ5匹なら100+100の200打点が毎ターン飛んでくる計算です。

ここにPBLの新サポートグラジオの決戦が3枚。手札がこの1枚だけのときにしか使えない代わりに、その番、ルールを持たないポケモンのワザのダメージが+80されます。2回攻撃と噛み合うので、実質+160。ポケモンexを主軸にしていないのに、大型を一撃で持っていける理由がここにあります。

バチンキーの特性「ドンドンだいこ」は、バトル場が「おまつりおんど」持ちなら山札から好きなカードを1枚。お祭り会場そのものも、グラジオの決戦も、これで引っぱってこられます。

サンプルは514人規模のオンライン大会を12-0-1で優勝したリストです。

サンプルリスト — Dreamjew / 1位 (514人) / 12 - 0 - 1

ポケモン (20)

トレーナーズ (35)

エネルギー (5)

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4. ヤドキング — 「山札の上を操作する」が全部つながっている

ヤドキング 夜のアカデミー
「ひらめきチャレンジ」のヤドキングと、山札の上を仕込む夜のアカデミー。

使用率5.50%、勝率52.44%。NAIC 2026では Ross Cawthon 選手がこのデッキで4位に入っています。

ヤドキングの「ひらめきチャレンジ」は、山札を上から1枚トラッシュし、それがルールを持たないポケモンなら、そのポケモンのワザを使えるというもの。運任せに見えますが、スタジアム夜のアカデミーを4枚積むことで話が変わります。自分の番ごとに1回、手札を1枚山札の上に戻せるので、次のターンにめくれるカードを自分で仕込めるわけです。

トラッシュ先として仕込まれているのがキュレム。「トライフロスト」はエネルギーを全部トラッシュして相手3匹に110ダメージという大技です。ブーメランエネルギーは、ワザの効果でトラッシュされたら元のポケモンに戻ってくるので、この全トラッシュ系のワザとの相性が抜群。メガガルーラex3枚も、特性「おつかいダッシュ」でバトル場から2枚ドローしながら殴れる潤滑油として入っています。

サンプルリスト — LazySnorlax / 1位 (213人) / 10 - 1 - 0

ポケモン (20)

トレーナーズ (29)

エネルギー (11)

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5. フーディン — 手札の枚数がそのまま打点になる、勝率トップ級

フーディン ノココッチ
手札の枚数が打点になるフーディンと、ドロー源のノココッチ。

使用率5.41%に対して勝率53.54%と、上位デッキの中で頭ひとつ抜けた数字を出しています。5月30日のRegional Indianapolisでは Cerys Jones 選手がこの型で優勝しました。

フーディンの「ハンドパワー」は、自分の手札の枚数×2個のダメカンを相手のバトルポケモンにのせるワザ。手札10枚なら200ダメージ相当で、エネルギーを大量に必要としません。だから構築のほぼ全部が「手札を増やす」ことに向いています。

ドデカバシの特性「スカイドロー」で1枚、ノココッチの「にげあしドロー」で3枚引いて自身は山札に戻り、フーディン自身も進化時に「サイコドロー」で3枚。サポートはヒカリ4枚(たね・1進化・2進化を1枚ずつサーチ)とトウコ3枚で、ふしぎなアメ3枚と合わせて2進化ラインを最速で立てにいきます。

サンプルリスト — willoso115 / 1位 (267人) / 10 - 1 - 0

ポケモン (24)

トレーナーズ (30)

エネルギー (6)

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6. Nのゾロアークex — 「Nの」カードで固めた老舗アーキタイプ

Nのゾロアークex Nのゼクロム
ワザをコピーするNのゾロアークexと、コピー元のNのゼクロム。

使用率5.18%。NAIC 2026では Tord Reklev 選手が10位、Liam Halliburton 選手が14位に入っており、EUIC 2026でも Halliburton 選手が4位。実績のある選手が握り続けているデッキです。

Nのゾロアークexは特性「とりひき」で手札を1枚切って2枚ドロー、ワザ「ナイトジョーカー」でベンチの「Nのポケモン」のワザをコピーします。コピー元はNのゼクロムの「ランページサンダー」250ダメージ。

面白いのが変化の書4枚で、これは2枚同時にしか使えない代わりに、トラッシュのたねポケモンと場のたねポケモンを、ついているカードやダメカンごと入れ替えられます。倒れかけのNのゾロアを別のたねに差し替える、といった使い方ができるカードです。Nの城はNのポケモン全員の逃げエネをゼロにするので、入れ替え札を切らずに立ち回れます。

7. マリィのオーロンゲex+ユキメノコ — 13-0の全勝優勝も出た「削り」デッキ

マリィのオーロンゲex ユキメノコ
一気にエネを載せるマリィのオーロンゲexと、盤面を削るユキメノコ。

使用率4.44%。504人規模のオンライン大会で13戦全勝の優勝が出ています。

マリィのオーロンゲexは進化時に特性「パンクアップ」で基本悪エネルギーを5枚まで一気につけられるので、立った次のターンには「シャドーバレット」180+ベンチ30が飛びます。

そこにユキメノコの特性「いてつくとばり」。ポケモンチェックのたびに、おたがいの特性を持つポケモン全員にダメカンが1個ずつのります。相手のベンチのシステムポケモンが勝手に削れていくので、マシマシラ4枚の「アドレナブレイン」でそのダメカンを動かして、狙った相手にとどめを刺す形です。特性持ちが多いデッキほど刺さります。

スパイクタウンジム4枚で毎ターン「マリィのポケモン」を1枚サーチできるため、進化ラインが安定しているのも強み。

サンプルリスト — AzulGG / 1位 (504人) / 13 - 0 - 0

ポケモン (23)

トレーナーズ (28)

エネルギー (9)

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8. ばけがくれ — 日本のJCS準優勝デッキが英語圏に上陸

ダダリン ジュペッタ
打点役のダダリンと、「ばけがくれ」を持つジュペッタ(ともにPBL)。

使用率4.02%。実はこのデッキ、日本ではすでに結果を出しています。6月のポケモンジャパンチャンピオンシップス2026で、フカセ カブ選手がこの型で準優勝しているのです。

ジュペッタやカゲボウズ、チャデス、ヤバソチャが持つ特性「ばけがくれ」は、相手のワザや特性の効果を受けないというもの。ドラパルトexの「ファントムダイブ」のばら撒きも、ユキメノコの「いてつくとばり」も、これらのポケモンには通りません。

打点役のダダリンは「むねんのイカリ」30+、自分のトラッシュに「ばけがくれ」持ちが4枚以上あれば+140で170ダメージ。ヤバソチャの「まっちゃスピン」は、トラッシュに「ばけがくれ」持ちが6枚以上なら相手全員にダメカン4個です。つまり自分から積極的にトラッシュを肥やしていく構築で、手札のポケモンを2枚までトラッシュして×3枚ドローするPBLの新サポートムクが4枚入っているのは、その意味でも噛み合っています。

サンプルリスト — Tobias Freitag / 1位 (237人) / 8 - 0 - 0

ポケモン (26)

トレーナーズ (27)

エネルギー (7)

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9. リーリエのピッピex — 「ドラパルトexの弱点を作り替える」NAIC優勝デッキ

リーリエのピッピex メガガルーラex
ドラゴンの弱点を超に変えるリーリエのピッピexと、NAIC優勝リストに4枚入ったメガガルーラex。

オンラインの使用率では上位に顔を出しませんが、6月のNAIC 2026 (3,752人)を制したのがこのデッキです。優勝した James Kowalski 選手のリストは、メガガルーラex4、ニャースex4、リーリエのピッピex4、ラティアスex3という、たねポケモン中心の構成でした。

キモはリーリエのピッピexの特性「フェアリーゾーン」。相手の場のドラゴンタイプのポケモン全員の弱点を、超タイプに変えてしまいます。環境の最大勢力であるドラパルトexはドラゴンタイプでHP320。弱点2倍を突ければ、超タイプのリーリエのピッピexの「フルムーンロンド」(おたがいのベンチポケモンの数×20を追加)で一撃圏内に入ります。テラスタルのオーガポン いどのめんexを採用しているのでゼロの大空洞4枚が機能し、ベンチを8匹まで広げて打点をさらに伸ばせます。

ラティアスexの特性「スカイライン」で自分のたねポケモン全員の逃げエネがゼロになり、ニャースexの「おくのてキャッチ」でサポートを持ってくる。動きの軽さと、ドラパルトexへのメタが同居した構築です。環境の中心を名指しで狩りにいく構築が最大の大会を勝ち切った事実は、世界大会でも意識されるはずです。

そのほかの警戒枠

日本語版と英語版のズレに注意

日本のプレイヤーがオンラインで触っている環境と、世界大会の環境には1セット分のズレがあります。

英語版のPBLは、日本語版でいう「アビスアイ(M5、2026年5月22日発売)」にほぼ対応するセットです。一方、日本語版で7月31日に発売された「ストームエメラルダ(M6)」は英語版が未発売のため、今回の世界大会では使えません。日本語版基準で環境を追っていると、M6のカードが出てこないことに違和感を覚えるかもしれませんが、それが正常です。

当店では英語版(海外版)のシングルカードを扱っています。世界大会を見て気になったカードがあれば、各デッキのリストからそのまま探せますので、ぜひチェックしてみてください。

データ出典: Limitless TCG / Limitless Play。使用率・勝率は Pitch Black 解禁後のオンライン大会の集計値です。